あなたが文書を作成するとき、すでに、読み手に伝えたい内容のイメージはあるはずです。
例えば、次期の販売計画について提案する文書を考えてみましょう。あなたには、提案したい計画がいくつかあります。しかし、文書の1行目から提案内容について書くべきでしょうか?
もちろん、それは良い方法ではありません。
良い文書には、その文書で伝えたい内容に関係なく、すべての文書に記載するべき形式的事項があります。
良い文書にするために記載するべき形式的事項
あなたが作成する文書が何であれ、次の事項を整理して記載することをおすすめします。
- 資料番号
- 作成者の氏名や連絡先
- 文書を作成した年月日
- 宛名、想定する文書の読み手、配布先
- 文書を使用した(使用する予定の)年月日、会議等の名称
- 文書のタイトル
- 文書を作成した直接の目的
- 既知の状況や経緯
- 目次(文書のページ数が多いとき)
- 別添資料の一覧(あれば)
- 事後的に更新した場合はその年月日、更新者やその連絡先、更新した内容(更新したとき)
- 終端記号「(終)」
- ページ番号
文書作例
悪い例は、1行目から文書の内容を記載しています。
読み手にとっては、事前情報が無く、この後の展開が予想できません。いつ、誰が書いたものなのか、何のために書いたものなのか、誰に問い合わせればよいのか、何もわかりません。これではあまりにも不親切です。
資料番号1
作成:企画課 鈴木(内線123)
〇年〇月〇日
配布先:
〇年〇月〇日開催 営業会議(文書を使用する予定の会議)
広報部 〇〇課
営業部 〇〇課
業務部 〇〇課
第〇号議案 次期のインターネット広告販売促進予算の拡充提案(タイトル)
前回の営業会議第△号議案において審議された次期販売計画のうち、継続検討となったインターネット広告に係る販売促進予算の拡充案について、関係部署の調整結果を踏まえて再提案するもの。(文書を作成した直接の目的)
目次
1.次期販売計画の見直し
2.次期販売計画達成に向けたインターネット広告活用の基本方針
3.広告予算の配賦案
4.具体的な出稿プラン
別添資料
1-1 媒体別広告宣伝費の内訳の推移及び業界平均との比較
1-2 第1次出稿プラン(案)
【1】 次期販売計画の見直し
次期販売計画を達成するためのインターネット広告予算案の見直しについて、関係部署間で協議した結果、 ・・・ (以下、文書の内容) ・・・
(終)
-1-
良い例は、形式的事項が整理されています。
形式的事項を整理するメリット
形式的事項の記載は、読み手の理解を助けます。形式的事項を記載した文書の読み手は、内容に入る前に、その後の議論の展開を予想できます。なぜ、いま、この議論をする必要があるのかを理解できます。書き手が何を説明しようとしているのか、全体像をつかむことができます。その内容に疑義があれば、誰に確認すればよいのかを知ることができます。
また、書き手にとっても、誰に、何を、どのように伝えるべきか意識することは、良い文書を作成する上で大変重要です。
※※なお、それぞれの形式的事項の記載については、記事を改めて詳解します。